令和8年度(2026年度)診療報酬改定で、歯科技工士の賃金改善を目的とした新点数「歯科技工所ベースアップ支援料」が新設されました。歯科技工士の処遇改善に直接お金がつく、久しぶりの制度変更です。
歯科医院が補綴物などの製作を外部の歯科技工所に委託した場合、1装置につき15点(150円相当)を算定できる仕組みです。算定した歯科医院は、その原資を委託先の歯科技工所の技工士の賃金改善にあてることが求められます。院内に技工士を雇用し、その技工士が製作した場合は対象外で、あくまで「外部委託」を評価する点数です。
背景にあるのは人材確保への危機感です。厚生労働省の検討会資料によると、令和6年時点の歯科技工士免許登録者数125,093人に対し、実際に業務に従事している人は31,733人(25.4%)にとどまります。ただし、この数字を「免許保有者の4人に3人が離職した」とそのまま読むのは早計です。理由は関連記事で詳しく解説しています。
- 算定できるのは「歯科技工所へ委託した場合」のみ。院内技工士の製作分は対象外。
- 2026年6月〜は1装置15点、2027年6月〜は30点に引き上げ予定。
- 同じ改定で光学印象(口腔内スキャナー)による評価も100点→150点に引き上げ。
- 歯科技工所は歯科医院に対して、この支援料が確実に賃金改善へ還元されるよう連携・確認しておきたい。
技工士ドットコムなどの業界メディアは、支援料を通常の技工料と混ぜず「別建て請求」することを推奨しており、実務上は歯科医院との交渉・届出のすり合わせが今後の焦点になりそうです。